電子書籍のスクショやコピーは犯罪になる場合とならない場合がある

デジタルデータである電子書籍は、紙の書籍と比べて複製しやすそうに思えるもの。しかし、デジタルコンテンツの著作権が注目される今、電子書籍のスクショやコピーははたして合法なのでしょうか?電子書籍は基本、お金を払って買うデータとなります。

 

そうなると買っているのだから、個人で利用する範囲ならOKなのでは?と思うでしょう。電子書籍でも好きなシーンをスクショして保存したり、ストアが閉鎖しても引き続き読めるようにコピーして保管しておきたい、といろいろな理由があると思います。

 

実際、音楽CDなどは一度買ったCDをコピーして個人で楽しむことは違法ではありません。では電子書籍の場合はどうなのか?気になるのは著作権はどうなるのか?という部分だと思いますが、場合によっては著作権侵害になりますので注意が必要です。

 

この記事では電子書籍のコピーやスクショをしても良いケース、犯罪になるような違法なケースなどまで詳しくご紹介します。

 

電子書籍をコピーすると犯罪になる?

デジタル技術の発展に伴い、インターネット上での著作権違反コンテンツの増加、いわゆる「海賊版」の被害増大に注目が集まっています。文化庁や著作権関連団体の試算によれば、有名な違法マンガストリーミングサイト「漫画村」では、およそ3000億円相当もの有料コンテンツが無料で公開されていた、と推測されているほどです。

 

このような状況を受け、著作権にまつわる様々な規制は年々強まりつつあります。そのような最中で、ユーザーレベルで気になるのが「自分で購入した電子書籍をコピーやスクショしても良いのか」という疑問です。正規に買ったものをコピーするのはどうなのか、気になりますよね。

 

ずばり、電子書籍にDRMのようなコピーガードが付いていない場合で、さらにストアの規約で個人や家庭内でのコピーはOKだと明記されているなら自分や家族が利用する範囲内においてコピーをしても合法だと考えられています。電子書籍ストアの中には少数ですが作品にコピーガードをかけていないサービスもあります。

 

これは著作権法第三十条「私的利用のための複製」に該当するためです。

 

【著作権法(私的使用のための複製)第三十条】

著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。(後略)

出典:著作権法 | e-Gov法令検索

 

なお、説明など必要ないと思いますが、違法アップロードされた書籍のダウンロードやコピーは当然アウトです。一方、コピーガード付きの書籍の複製は、上記の「次に掲げる場合」の第二項に当たる可能性があり、取り扱いに注意が必要です。順番に見ていきましょう。

 

電子書籍は基本DRMがありコピーできない

前提として、ほとんどの電子書籍ストアで購入した作品には、DRM(デジタル著作権管理技術)と呼ばれるコピーガードがかかっています。このプロテクトはコンテンツの違法なコピーや利用を防ぐためのものになります。

 

単純にコピーをさせない、コピーしたファイルを開こうとするとブロックするといった挙動で、ユーザーによる不正利用を防止します。つまり、電子書籍はいざコピーしようとすると、実は大手の電子書籍ストアなどではそもそもコピーできないものも多いのです。

 

しかし、ネットではこのDRMを解除するソフトなどを販売しているサイトがあったりもします。そのようなソフトを使って解除するのは違法となるのでしょうか?

 

DRMを解除するソフトは違法

レンタルビデオ屋の最盛期にDVD・CDのリッピング(吸出し)ソフトが売られていたように、現在でもDRMを解除するソフトは存在します。しかしDRMの解除は「技術的保護手段の回避」と呼ばれる「著作権法第三十条第二項」に触れる行為であり、明確に違法です。

 

【著作権法(私的使用のための複製)第三十条第二項】

技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去若しくは改変その他の当該信号の効果を妨げる行為(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約によるものを除く。)
を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすること(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)をいう。
第百十三条第七項並びに第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合

出典:著作権法 | e-Gov法令検索

 

コピーガード付きの電子書籍は、残念ながらプロテクトを破ってコピーしようとしてはいけません。もし破ってコピーをした場合は違法となります。最初から将来的なコピーを希望しているのであれば、コピーOKをうたう電子書籍ストアを探しましょう。

 

規約でNGと明記があれば規約違反
コピーガードがない電子書籍でも、ストアの規約でコピーなどの複製をする行為は禁止という明記があった場合は規約違反となります。
賠償請求される場合もありますが、よほどのことがない限り裁判になることはないと考えられます。

 

 電子書籍のスクショはコピーと少し違う

電子書籍のコピーに関しては上述の通りですが、さらに知っておきたいのがスクリーンショットについてです。基本的にコピーガードがついている電子書籍の場合、コピーは違法だと先ほど解説しましたが、スクショの場合も違法となるのか?

 

実は購入した電子書籍のスクショを端末に保存する行為自体、今のところ違法ではないと考えられています。ということは、DRMで保護している電子書籍のスクショを撮っても問題はない、ということになります。

 

ただし、スクショした画像をSNS等にアップロードしたり、不特定多数の方に配信してしまったりした場合、これは権利者の意向によってはアウトだとも想定されています。よって、個人的に楽しむ程度なら違法にはならない、ということですね。

 

1巻まるごとスクショする行為はNG?

重要なのは、自分のためにスクショするのはOKだと予想されている点です。自分で購入した電子書籍を、後で自分が読み直すために全ページスクショする行為は、意外にも今のところ合法だと予想されます。

 

電子書籍をコピーしたいのであれば、スクショを活用すると良いでしょう。ただし、著作権法の第一条では、以下のように法律の目的が定められています。

 

【著作権法(目的)第一条】

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

出典:著作権法 | e-Gov法令検索

 

もともと著作権法は、著作者等の権利の保護や文化の発展を目的とした法律です。将来、全ページのスクショがこの目的に反していると考えられた場合には、新たな規制も誕生するかもしれません。

 

現時点では基本的に曖昧な部分が非常に多く、大丈夫と思ってしていた行動がグレーと呼ばれる範囲になっていたりする場合もあり、ややこしいのですがセーフといえるラインとしては「やりすぎない」ことでしょう。

 

違法アップロードされた著作物をスクショ行為はNG

違法にアップロードされた著作物をスクショする行為は、ダウンロードと同様にNGです。令和2年通常国会の著作権法改正で「軽微なもの」については違法とならないと定められましたが、それでも全ページをスクショするような行為は禁止されています。

 

軽微なものの例として挙げられているのは、マンガの数コマ程度のような一部分のスクショや、サムネイルのような画質が粗くて読めない画像のダウンロードのみです。知らずに違反してしまわないように気をつけましょう。

 

また、このような違法行為で逮捕されるのか心配になると思いますが、実際、個人的にちょっとだけ楽しむ程度なら逮捕されるケースは少ないと思われますが、そもそも犯罪行為なので決してしてはいけません。

 

まとめ

この記事では電子書籍のコピーについて、現状や気になるスクショやコピーガードとの関係をご紹介しました。現時点(2021年12月時点)では、自分で買ったコピーガードのない電子書籍をコピーしたり、コピーガードがあってもスクショで保存したりするのは合法だと考えられています。

 

手元に残したい方は、まずはスクショを検討してみましょう。但し、将来的に法改正などによって変わる場合もありますので、スクショやコピーをする際は十分注意してください。

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